年齢を重ねると、毎日毎食のごはんづくりがおっくうになってくるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
外食や買ってきたお惣菜では塩分やカロリーも気になるし、体のためにもなるべく手作りの健康的な食生活を心掛けたいものです。
キッチン設備自体の進化がとても進み、作業を楽にしてくれる時代になっています。シニア世代になったいま、リフォームでキッチンを一新して、健康的な食生活を獲得するには、とてもよい機会ではないでしょうか。疲れやすくなったシニア世代目線でのキッチン選びのポイントをご紹介します。
ポイントの1つは、ラクな姿勢で、作業が行えて体への負担を少なくすることです。
長時間の立ち仕事は体への負担も大きくなります。座ったまま作業ができるよう、作業スペースの下に空間があれば、椅子や車椅子の方でも作業がしやすくなります。
高い位置にある吊戸棚は、シニア世代には使いづらいと言う方もいらっしゃいます。また、ストック食品やキッチン家電などは、奥に収納してしまったが最後、完全に埋もれてしまう方も多いのではないでしょうか。
どうしても収納が必要という場合は、アイレベル(目の高さ)まで降ろして使える吊戸棚など、普段使い易いものを選びましょう。軽い力で降ろせたり、スイッチひとつで昇降できる電動式のものなら、さらに使いやすいです。
各キッチンメーカーでは、シニア向けのサポート機能付きのシステムキッチンやシニア向けオプションプランが用意されています。ラクな姿勢で料理するには、キッチンの高さも重要になるので、ぜひショールームで実際に立ったり座ったりと試すことが大切です。
料理や片付けをサポートしてくれることも大切ですが、安全性を第一に考えた機器選びをしましょう。
IHヒーターは炎がないので、洋服の袖へのもらい火事故も防げて安心です。使い慣れたガスコンロを希望する方も多いですが、安全のためにはIHヒーターをおすすめします。
IHヒーターはフラットなので表面を拭くだけ、掃除がラクにできるのもポイントです。
加熱防止機能や自動消火機能など安全面の機能がついていれば、調理中の火事を防ぐこともできます。
レンジフードは高い位置にあるものなので、お手入れが大変です。サッと拭くだけでお手入れできるフラットな整流パネルや、なるべく低い位置に設置できるアイレベルタイプを考えるとよいでしょう。
また、加熱機器と連動して稼働するものや、リモコンでスイッチON・OFF、強さ調節できるものもあるので、これだと高い位置に腕を伸ばしてボタンを押す必要もありません。
「少人数だし、食洗機なんて贅沢だわ」とお思いかもしれませんが、食洗機があれば洗い物が格段にラクになります。汚れ落ちも手洗いより良く、使う水の量も減ってエコが実践できます。後で設置するとなると、収納キャビネットの一部をつぶしてビルトインにしたり、作業スペースに据え置くことになったりと、返って費用が多く掛かってしまいます。据え置き型は導入しやすいですが、キッチンは手狭になってしまいます。リフォームする時に、ビルトイン食洗機を導入するよい機会とした方が賢明です。
キッチンには長時間いることもあるので、環境も大切なポイントです。
特に、床は素材によっては硬くて疲れやすくなるほか、すべりやすいものもあるので安全面でも配慮が必要です。
体に負担が少ない素材と言えば、木質系のコルクフロアです。弾力性・保温性に優れているのでソフトで柔らかい感触があり、食器を落としても割れにくいという点でもおすすめです。耐水性もあるのでお手入れもラクになります。
その他、冬の寒さ対策として床暖房をキッチンにも導入しておくのがよいでしょう。一度温まると、足元からぽかぽかとして、寒い中での家事もずいぶんと負担が減ります。
このように、シニア世代でのキッチン選びでは、視点が違ってきます。
だんだんとつらくなってきている作業を思い浮かべて、キッチン設備で解決できることは解決してしまいましょう。