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【キッチンのパーツ選び04】- 加熱機器編;ガスコンロとIHヒーター

ガスコンロやIHヒーター(IHクッキングヒーター)といった加熱機器はキッチンの最重要ポイント。

「ガスかIHか、どちらにしようかしら?」と真っ先に考える方もいるでしょう。

加熱機器ひとつで、調理のストレスが軽減されることもあります。また、最近の加熱機器は機能が豊富なので、調理の負担が減るのはもちろん、料理の楽しさに目覚めた!ということもあります。

ガス?IH?どちらがいい?

ガスコンロ、IHヒーターはどちらも機能は充実しており、どちらがよいということはありません。また、それぞれ上位機種になるほど自動調理などの便利な機能も搭載されていますが、もちろん、その分価格も上がります。それぞれの特徴を知り、使う人や家族構成、生活スタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。

ガスコンロの特徴

「料理は直火で!」というこだわりを持つ料理好きな人に人気です。

使いやすいサイズと火力にも注目

これまで主流だった60㎝幅に加え、最近は75㎝幅のワイドタイプが増えてきました。大きな鍋も2つ並べて使えるので便利です。

バーナーは3口タイプが一般的ですが、サッと強火で炒める料理が多くて、コンロをフルに使いたいというご家庭なら火力にも注目しましょう。4000kcal以上ある高火力バーナー(標準3610kcal)は搭載されているのか、また左右の両バーナーにできるのか、片方だけなのかなど違いがあります。

素材の違いが見た目、お手入れにもかかわってきます

コンロのトッププレート(天板)の素材は主に、強化ガラス・ホーロー・フッ素コートの3種類があり、現在は見た目もスタイリッシュで耐熱性・耐久性のあるガラストップタイプのコンロが主流となっています。

カラーバリエーションもあり、スタイリッシュなキッチンにもぴったりのデザインです。

凹凸や溝があり掃除しづらいのがガスコンロの弱点でしたが、最近のコンロはフラットで拭き掃除がしやすくなっています。さらに、バーナーカバーが付いているので吹きこぼれがコンロの内部に侵入しにくい構造になっており、もはや汁受け皿はありません。ゴトクも薄く軽量になり食洗器で洗うこともできるので、日々のお手入れは格段にしやすくなっています。

普段のお手入れはゴトクをはずして拭くだけ。汚れの焼き付き、こびりつきを防いで落としやすい加工がされたトッププレートもあります。

HIヒーターの特徴

IHヒーターは火を使わない安全性とフラットでお手入れしやすいのが魅力です。見た目がすっきりしているので、スタイリッシュなオープンキッチンとの相性もよいです。
※重要なご注意: 医療用ペースメーカーなどをお使いの方は、念のため専門医師とご相談の上お使いください。

フラットでシンプルな佇まいはラグジュアリーキッチンにもぴったりです。

火を使わないけれど熱効率がよく火力も強い

IHはInduction Heating(磁気誘導加熱)の略で、電気の力で発熱させるタイプの加熱機器です。IHヒーター自体は発熱するわけではなく、プレート下のコイルに電流が流れ、そこで発生する磁力線の働きにより鍋などの接触面のみ発熱する仕組みです。火が出ないので、袖へのもらい火の心配もなく、ご高齢の方はIHヒーターに変えられることが多くあります。

空気中に熱を放射するガスコンロと違い、鍋を直接発熱させるので熱効率がよく、お湯の沸きが早いのが特徴です。ガス火と同等の火力があるので調理にも心配いりません。

火は見えなくても火力が細かい段階で設定できるので火加減の失敗は心配ありません。

また、ガスコンロに比べて上昇気流が少ないため、油煙が広がりにくく、壁や天井が汚れにくいというメリットもあります。さらに、空気が温められにくいので、夏場の調理も比較的ラクになるのがうれしいポイントです。これらの点もオープンキッチン向きの加熱機器と言えます。

炎がないので、火力調節に最初はとまどうかもしれませんが、火力の段階も細かく設定できるので慣れてしまえば、パワフルで素早い立ち上がりに、お料理がしやすくなったと感じる方が多いです。

使える鍋も増えてより便利に

以前は使用できる鍋が限られていたIHヒーターですが、いまでは使える鍋の種類もグンと増え、お手持ちの鍋がそのまま使えることも多くなりました。

「オールメタル対応」と表記があるのが使える鍋です。たとえば3口IHのうち、オールメタルに何口対応しているのか、事前にチェックが必要です。

人気のストウブやル・クルーゼなどの鋳物ホーロー鍋も使えます。

また、まだまだ数は限られますが、IHヒーターのどの位置でも発熱して調理できるフリーゾーンタイプの登場にも注目です。大小の鍋を3つ、4つと自由に使えたり、これまで感知されづらかったオーバル型の鍋にも反応してくれます。また、センサー機能の向上により、鍋ふり調理ができる機種も登場し、IHヒーターでも料理を楽しむ幅が広がってきました。

ガス、IHとも機能は充実

便利機能、安全機能は当たり前

最近の加熱機器は、調理をアシストしてくれる便利機能が充実しています。

たとえば、調理タイマーはもちろんのこと、ごはんが炊ける炊飯機能や自動で消火する湯わかし機能、麺茹でモードなどの自動調理から、揚げ物の自動温度調節まで、機種にはよるものの、ガスコンロ・IHヒーターともに備わっていると考えてよいでしょう。

安全面も配慮されていて、現在製造されているすべてのガスコンロは「Siセンサー」搭載により、油の過熱防止装置や消し忘れ時の自動消火装置、さらに吹きこぼれによって炎が消えた場合でもガスを自動で止めるなどの安全装置が標準装備されています。

小さなお子さんのいるご家庭ではチャイルドロックも役立ちます。

IHヒーターも同様に、鍋なしや空焚きを検知して自動オフしたり、温度が過上昇するのを防止したりと安全性に配慮された機能が搭載されています。

忙しい人にはぜひ活用してほしい、グリルの機能

魚焼きグリルは目覚ましく進化をしています。「無水両面焼きグリル」ならプレートに水を張る必要もなく、魚を裏返す必要もないため、焼き上がりもきれいです。さらに、グリル内部やプレート、焼き網の手入れもしやすく工夫されています。

魚だけではなく、肉や野菜など簡単にグリル料理ができるのでぜひ挑戦してみてください。肉の脂が落ちるのでヘルシーに焼けるのもうれしいところです。最近では、凍ったままの肉を解凍せずにそのまま焼ける機能がついているグリルもあり、帰宅して早く夕食を作らないと!という場合にも、時短調理の強い味方になります。

空まめや焼きアボカドなど野菜をグリルすると野菜本来の味を引き出せます。

さらに、付属のダッチオーブンやココットを使って無水調理や低温調理、パン・ケーキを焼いてみたりと、まるでオーブンのように使うこともできます。基本的には、材料を入れてグリルにセットするだけの放ったらかし調理なので、調理の間に調理の片付けをしたり、子供の世話をしたりと、忙しい人こそ使ってほしい機能です。

専用の容器を使い、オーブンのように料理を楽しめます。

ガスとIHのハイブリットという発想も

ガスにするか、IHにするか…、いまでは両方を取り入れるという新しい発想も見られます。

湯沸かしや麺茹でなどは立ち上がりの早いIHで、焼く・炒めるなどの調理はガスコンロで、といったように使い分けをして料理を楽しむ方に選ばれています。

ガスコンロとIHヒーターのコンビネーション。

海外メーカーに目を転じてみると、バーベキューコンロを組み込んだものなど、料理好きには興味をそそられるものも多く見られます。加熱機器の世界でも、ますますキッチンの可能性は広がっているように感じます。

プロの厨房のような大きなバーナー付きコンロ。海外キッチンを見ていると夢が広がります。
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