株式会社 輝く人生創造戦略研究所

menu
お役立ちコンテンツ一覧 > キッチンリフォーム

【リフォームのインテリア4】- キッチン空間の壁材

オープンキッチンが当たり前になり、ダイニングやリビングから見たときに調和のとれた美しいキッチン空間を求める人が多くなりました。キッチンづくりというと本体や設備機器に目が行き、その周りの壁や天井まで意識が届かないことも多いでしょう。ただ、火を使うキッチンまわりの素材選びにはいくつかポイントがあるので、知っておくことが大切です。

防火性のある素材選びが必要です

火を使うキッチンまわりで内装材に求められるのは第一に安全性です。

キッチン空間では建築基準法により内装制限が設けられており、天井と壁がその対象となるため防火性能を持つ素材のみ使用可能となります。

内装制限の適用については、お住まいの地域やキッチンの設置場所、建物の構造、戸建てか集合住宅かなど条件によって異なります。お住まいの地域の条例に詳しい設計者に相談するのがよいでしょう。

ここでは、壁材にはどのようなものがあるのか、その特徴をご紹介します。

キッチンセット周辺の壁材

加熱機器のまわりの壁材は、主に以下の3つが主流です。キッチンの見た目にも大きく影響するのでインテリア性にこだわる方はしっかり選びたいところです。

キッチンパネル

システムキッチンで主流なのがキッチンパネルです。キッチン専用の仕上げ材として商品化されていて、システムキッチンではキッチン本体と合わせて色柄を選ぶことができます。

メリットとしては、掃除しやすい点が一番でしょう。汚れが付きづらくサッと拭くだけでお手入れできるなど、各キッチンメーカーで撥油・撥水加工がされたお手入れしやすいキッチンパネルを展開しています。

さらに、キッチン本体のカラーと合わせたり、モザイクタイル調、大理石調なども選べたりとデザインの選択肢は増えてきています。施工がしやすく比較的安価なところも人気の理由のひとつです。

IHヒーターの前面と側面は白のキッチンパネルで清潔感を。タイル調のものも組み合わせてインテリア性を高めています。

タイル

キッチンのインテリア性にこだわる方に人気なのがタイルです。水や火、熱への耐性に優れているのでキッチンにはぴったりな素材です。なによりも色や柄、形の種類が多いのでデザイン的にも選択肢が多くあるのが魅力でしょう。さらに、表面がツルっとしていてお手入れしやすいキッチン用のタイルもたくさんあります。目地が細かいと掃除が大変ですが、防カビ剤入りの目地など扱いやすいものが登場しています。タイル壁のキッチンはその表情や質感が生かされて、ぐっと個性的になります。

インテリアに合わせて青のタイルをモチーフにしたキッチン。

ステンレス

水や熱、薬品にも強い性質でお掃除しやすいのがステンレス。キッチンカウンターやシンク、キッチン本体にも使われる素材です。無機質で厨房のような独特の雰囲気が出せて人気ですが、オープンキッチンの場合はキッチン空間だけが浮いてしまわないように、リビング・ダイニングとのインテリアとの調和を考えてうまく取り入れたいところです。

加熱機器前だけにステンレスの貼ることも多くあります。

その他には、防火クロスやホーローパネルなどを使うこともあります。とくにホーローは掃除がラクでマグネットをつけられるのが便利です。

オープンキッチンではリビング・ダイニング側の素材にも注意を

気のオープンキッチンですが、この場合ダイニングやリビング側の内装材にも制約が及ぶことがあり注意が必要です。

戸建て住宅の内装制限は、2009年の規制緩和によりコンロ周りに限られるようになりましたが、集合住宅でオープンキッチンにする場合、キッチンセットまわりの天井や壁材と同じように、防火性能のある素材を用いなくてはなりません。他の素材を使いたいという場合は下の図のように、キッチンとダイニングの境に天井から50㎝以上の垂れ壁を設けることで、内装制限はキッチンエリアのみに抑えることができます。

建物の構造などさまざまな条件によって変わりますし、その他にも安全のための規定など存在します。設計者の方に聞いたり相談したりしながら進めていきましょう。

※2009年4月1日告示された建築基準法施行令の改正では、戸建て住宅に限定して、内装制限がコンロまわりのみとなりました。集合住宅には適用されません。改正の施行令は、従来の無い内装制限と並列法規となり、どちらかをクリアすれば良いということになっています。

また、今回の改正で、レンジフードに接する吊戸棚は、吊戸棚そのものの材料を準不燃材以上の仕上げにする必要があることになりました。

〇上図のパースイメージ

◇コンロの中心から半径250mm、高さ800mmの円柱の内部仕上げは特定不燃材(壁、天井がある場合は間柱、下地も特定不燃材)。

◇回り縁、窓台、その他これらに類する部分を含んで特定不燃材。

◇コンロの中心から半径800mm、高さ2,350mmの円柱の内部および天井面、および間柱や下地材も特定不燃材、またはそれに準じる材料で仕上げること。
※特定不燃に準じる材料として12.5mm以上の石膏ボード、5.6mm厚の珪酸カルシウム板2枚重ね、5.6mm厚の繊維強化セメント板2枚重ね、厚さ12mm以上のモルタルの使用が認められる。

◇コンロから天井までの距離が2,350mm未満の場合、800mm+(2,350~天井までの高さ)のコンロを中心とした半径の天井面が、不燃材仕上げの対象となる。

◇戸建て住宅を対象とし、集合住宅では適用されない。

詳しくは、国土交通省の「準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める件(平成21年国土交通省告示第225号)で確認をお願いします。
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/201703/00006430.pdf

お役立ちコンテンツ一覧に戻る