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【キッチンの基礎知識08】- 「家」の中のキッチンと動線

キッチン空間の役割は昔と変わりました。

以前の「水まわり空間」としての北向きのじめじめしたイメージから、いまは家族が集まる場所になりました。いわば、キッチン空間は家族のプラットフォームと言えます。

家の中心となったキッチンでは、他室との導線もとても重要なポイントになってきます。

今回は、「家の中でのキッチン」の在り方を考えていきましょう。

仕事や宿題はキッチン空間で、が当たり前?

在宅ワークが増えているいま、リビングやダイニングでパソコン仕事をする方も増えているのではないでしょうか。 また、最近は、小学生のうちは自室ではなくダイニングテーブルや、キッチンカウンターで宿題をすることも増えています。いわゆる「リビング学習」という言葉もあるくらいです。

オープンなLDKが主流の現在、キッチンとリビング・ダイニングがひとつになった解放的な空間の使い方はさまざまです。

キッチンとダイニングテーブルが一体化するとお子さんとの距離も近くて安心です。

LDKにワークスペースを設ける

キッチンのそばに小さなカウンターテーブルなどを設置して、ちょっとした事務作業ができるワーキングスペースを設けてみてはいかがでしょう。

よく見られるのは、リビングやダイニングの壁沿いに長細いテーブルを造作する案です。 パソコンやスマホ充電用として電源を多めに確保しておけば仕事にも使えますし、家計簿をつけたりといった作業に加えて、アイロンがけなど、台があると便利な家事もここで行えます。

最近は、リモート会議もしやすいようにクローズドなワークスペースをLDKに設けることも多いです。

スペースに余裕があれば家事室を

家事室とは字のとおり、洗濯ものをたたんだり、アイロンがけをしたりなど、家事のさまざまをこなす場所。最近では「ユーティリティスペース」とも呼ばれ、パソコンを置けるテーブルも設置して書斎のように使うこともあります。

家事室を作ることで、よりLDKがすっきりとしてリラックスできる場所になるというメリットがあります。

欧米の住宅の多くに家事室が備わっています。

家事室はキッチンとつながる動線が便利でしょう。朝ごはんを作りながら洗濯もと忙しい方の家事負担も軽減されます。有職主婦は仕事をするワーキングルームとしても活用できます。

また、雨が続く日や花粉が気になる季節は、ここに室内干しができて、とても重宝します。脱衣所とつながっていると洗濯~物干しまでの導線がラクになります。

2ウェイで回れる動線で家事の負担を減らせます

2ウェイとは、2方向から出入りできる間取りのことです。

たとえば玄関からキッチンまで行く場合、リビング側からだけでなく洗面脱衣室側からも出入りできる2ウェイ動線にすると来客時にも便利ですし、なんといっても家事動線が良くなります。

キッチン~洗面脱衣室・浴室~玄関に出られ、また、玄関からリビングを通ってキッチンに戻れる。こんな回遊型の動線があると、無駄な動きを減らしてくれてとても理想的です。

たとえば、外から帰ってきたら洗面脱衣室で普段着に着替えて、洗濯ものは洗濯機に放り込む。そのままリビングを通らず直接キッチンに立つこともできます。

外から花粉や菌を持ち込むことに敏感な方は、特に2ウェイ動線はあらためて注目してもよいかもしれません。

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