どこをどうリフォームしたいのか具体的に考え始めると、漠然としたイメージしか浮かばない、そういう人も多いかと思います。その場合、まず現状のどこがどのように不満なのかを家族で話し合って、具体的に書き出してみましょう。そうすれば改善すべき点がはっきり見えてきます。リフォームをする際は、リフォーム会社に「したい暮らし」を伝えることが大切です。

リフォームは、頻繁に行えるものではありません。将来の家族構成がどう変化するか、年を重ねるとともに、ライフスタイルがどう変わっていくかを考えましょう。 例えば近い将来、子供たちが独立して家を出て部屋が余ることが予想されるのなら、シェアハウスの様に各部屋を独立させて、ＬＤＫを広くしておくと、使い方の変更がしやすくなります。高齢化対策として、トイレやバス、階段や廊下に手すりを付けたり、この機会に段差も解消しておくと、後になって追加のバリアフリー工事を行わずに済みます。

キッチンやバス、洗面化粧台、トイレなどの修理や交換時期の目安は、設置後およそ10年～20年の間が一般的です。実際に設備機器の老朽化や故障がリフォームのきっかけとなることも多くあります。

また、使い勝手の不満が交換のきっかけとしてリフォームされる方も多くいらっしゃいます。設備機器は機能や清掃性において年々進歩しているので、これらを交換するだけで、暮らしそのものがより便利で快適になります。「まだ使えるから」と思いがちですが、使い勝手の悪さやちょっとした不満が溜まってストレスなどを感じているのなら、ぜひ設備機器を一新するためのリフォームを検討してみてください。「暮らしを変えたいな」と思ったときが設備の替え時とも言えます。

キッチン・バス・洗面化粧台・トイレ	10～20年で機器交換検討
ガス給湯器	10～20年で機器交換検討
給排水管	5～10年ごとに補修・洗浄
フローリング	15～20年で張り替え検討
ビニールクロス	10年目で張り替え検討
屋根材（化粧スレート）	7～10年で塗り替え検討、15～20年で葺き替え検討
外壁（モルタル下地吹付け）	5～7年で補修・塗り替え検討
外壁（サイディング）	5～7年で補修、10～15年で塗り替え検討

最近のシステムキッチンは、使いやすさや疲れにくさなど、使う人の立場で考え抜かれた工夫が満載です。たとえば、引き出し収納で収納量はぐんと増え、使いたいものに手が届きやすい工夫は当たり前です。さらに、可動式プレートによりシンクを作業スペースにできたり、手で触れずに吐止水できるタッチレス水栓など、調理中のちょっとしたストレスを解消する機能がたくさんあります。

さらに、ワークトップや扉材、キッチンパネルの汚れがつきにくい加工は、いまや、ほぼ標準装備です。レンジフードのお手入れのしやすさは驚きでしょう。新しいシステムキッチンなら「家事ラク」が実現することは間違いありません。

システムキッチンは、価格帯別に商品シリーズが展開されています。同じ商品シリーズの中でも、扉材やワークトップの素材などによって、価格の差が出ます。また、設備機器のグレードアップなどオプションをプラスすることで、価格も高くなっていきます。基本的には、見た目が豪華になり機能が増えるほど、価格は上がると考えて良いでしょう。いずれにしても、どのキッチンメーカーでも予算と照らし合わせて、幅広い選択肢から選べるようになっています。

システムキッチンは、食器棚を含むキッチン周辺の収納ユニットの種類が充実しています。キッチン本体と同じ扉材や、色、デザインを揃えていて、キッチンと見た目の統一感が出せます。

キッチン家電や食糧庫まで含んだ大型収納を選べば、生活感はすっきりと隠せます。予算やスペースに応じて必要なキッチン周辺収納を、ぜひ考えてみましょう。

キッチンが低すぎても高すぎても、身体への負担は大きくなります。オーダーキッチンならぴったりの高さに発注できますが、費用がかさみます。

理想的なキッチンの高さは「身長÷２＋５㎝」とされており、日本工業規格(JIS)では、80cm・85cm・90cm・95cmと5cm刻みに定められています。システムキッチンの中には、既定の範囲内であれば1㎜単位で調整できるものや、2.5㎝単位で細かく設定されている商品もあります。ぜひ、ショールームに足を運んで、高さを体感してみることをオススメします。その際は、靴を脱いだり、スリッパを履いたりして、普段キッチンに立つのと同じ状態にすることを忘れずに。もし迷ったら、高い方の寸法を選択した方が、より良い姿勢で作業が出来ます。

システムバスの掃除のしやすさは、いまや当たり前です。さらに浴室や浴槽の断熱性・保温性も向上しており、以前と比べて温かさをキープできるようになっているのが特徴の1つです。家族が入る時間がバラバラでも、追い炊きを最小限にでき、エコにも一役買っています。

さらに、バスルームをリラックスの場とした「快適さ」が、より追求されています。真上から広い面で降り注ぐシャワーや肩湯、打たせ湯などのほか、高性能シャワーも多種類あります。

ぜひ、リフォームで取り入れたいのは、将来を見越したバリアフリー機能です。手すりバーの取り付けや段差の解消はもちろんのこと、冷たさを感じない・滑りにくい床材はヒートショック予防や転倒防止にもつながります。

洗面化粧台は、デザインがスタイリッシュになり、収納がミラーの裏、カウンターの下ともに充実しています。小物でごちゃごちゃしがちな洗面化粧台周りを、すっきりきれいに見せてくれます。

特に、ボウルは広めで使いやすく、カウンターの水はねを防ぐ工夫がされているものが、多くあります。泥まみれのシューズやつまみ洗いの必要な子供の服なども作業が、しやすくなっているのが特徴です。さらに、つなぎ目がないので、お手入れも簡単になっています。また、水栓はシンプルで立ち上げのないスマートなデザインが採用され、水が溜まりにくく汚れにくい構造です。

まず、各設備機器会社のホームページで、商品特徴など基本的な情報をキャッチします。そのうえで興味がある商品のより詳細な情報を得るために、カタログを請求しましょう。ホームページに「カタログ請求」ページがあるので、そこで欲しいカタログや住所などを書き込み、送信します。個人情報は保護のため暗号化して送られるので心配はいりません。ホームページでも、カタログ閲覧はできますが、実際のカタログのほうが比較検討しやすいでしょう。

古くなったキッチンを、新しいキッチンと交換するだけのリフォームも出来ます。しかし、キッチンのまわりを見回して、床や壁など内装が古くなってきているようなら、同時にそれも一新したほうが、空間そのものもキレイになり、気分もリフレッシュできます。数年後に内装だけをやりかえるより、一度にやったほうが、費用的にも安くなるのでオススメです。

キッチンを壁付けから対面に変えるには、給排水管、電気系統の工事、ダクトの延長工事などが伴います。床や壁の内装も、行わなくてはなりません。それらの工事が伴うので、位置を変えずにキッチン交換をするよりも、費用がかかります。

ただ、対面キッチンにすることでリビングのほうを向いて料理ができるなど、家族のコミュニケーションに役立ちます。小さなお子さんがいる場合は、様子を見ながら作業ができるので、安心です。

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キッチンまわりだけのリフォーム

アイランドキッチンは、対面キッチンの1種です。カウンターの両端とも壁についていない、まさしく「島」となる形のレイアウトです。加熱機器とシンクを分離して、加熱機器側を壁付けに、シンクを対面にするなどⅡ列型のアイランドもあります。アイランド部分は、ぐるりと回遊できて、動線が自由なので、家族で一緒に料理を楽しんだり、ホームパーティなどに向いています。

マンションでは床勾配の関係で、給排水管、配水管の移動に制約があります。床構造にもよるので、リフォーム会社に調べてもらうと良いでしょう。マンションリフォームの実績が多いリフォーム会社を選ぶことも、ポイントです。

「キッチンリフォーム講座」の記事も参考にしてください。

マンションリフォームの注意点

マンションは、専有部分と共用部分に分かれます。このうちリフォームできるのは、専有部分だけです。専有部分とは、玄関ドアの内側からベランダの手前のサッシの内側までになります。玄関ドアやサッシは、専有部分ではなく、共有部分になるので、勝手に交換することはできません。

コンクリート躯体はいじれませんが、専有部の給排水管や電気配線はリフォームできます。また、壁式構造^※1の場合、間仕切り壁が構造上、取り外せないことがあります。一般のＲＣ造^※2なら、間仕切り壁の撤去・移動が出来る場合があります。

※1　柱と梁の代わりに耐力壁で建物の荷重を支える建築構造

※2　柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めた構造。鉄筋コンクリート造。

「キッチンリフォーム講座」の記事も参考にしてください。

マンションリフォームの注意点

リフォームでは、壁や柱を取り払って、広いワンルームを希望する方も多くいらしゃいます。ただ、木造一戸建ては、柱と梁に加えて、筋交い（すじかい）という斜めに入れる部材で、建物を支えています（写真）。筋交いは、地震や強風に抵抗して建物を守る大切な役割をしています。筋交いは、建物全体にバランスよく配置されるべきものです。その筋交いの入った壁を耐力壁（たいりょくへき）といいますが、その壁を撤去することはできません。

間取り変更を予定している場合は、木造住宅の構造に詳しい建築士のいる会社を選ぶと安心です。

まず、耐震診断をしてもらいましょう。そのうえで、適切な補強を行います。診断結果によって、補強箇所は異なってきます。補強ポイントは、基礎部分と筋交いの追加です。場合によっては、傷んだ柱や梁の交換も必要になるでしょう。

耐震補強の実績が豊富なリフォーム会社に、診断から依頼すると良いでしょう。診断費用を補助して、診断員を派遣してくれる自治体も多いので、お住まいの地域で調べてみましょう。 適切な補強が行われれば、古い家でも安心して住めるようになります。

部屋が細かく仕切られていると、光が入らず、暗くなりがちです。開放的な間取りを望むなら、耐震性に影響しない範囲で、壁をとってオープンにしましょう。キッチンも対面式にして、吊り戸棚をつけないようにすれば、より明るくなります。また、狭くて暗くなりがちな階段は、壁で仕切らず、リビングに取り込んだり、踏み板だけの見通しのよいタイプにすると、より明るくなります。

全面リフォームを行う場合は、その機会に耐震補強とともに床・壁・天井(屋根)に断熱材を入れて、かつ気密工事（フィルムなどで隙間をふさぐ工事）もやってもらいましょう。さらに窓を複層ガラスのサッシに替えてもらうと、気密性が高くなり、冬は冷たい外気が入りづらく、夏場の冷房の効き目も良くなります。

既存の窓の内側に、もう1枚サッシを入れて、内窓（うちまど）を追加してもらう、手軽な方法もあります。マンションでは窓は共用部分であり、勝手に変えられません。しかし、内窓ならできる場合が多いでしょう。取り付け工事も簡単で、断熱効果のアップが期待できます。

既存の住宅をオール電化住宅にするためには、現在ガスを使っている場所を電気にします。キッチンの加熱機器はIHヒーターに、給湯は電気温水器もしくはエコキュートに替えるなど、すべての設備の熱源を電気に統一します。

その際、機器交換だけでなく、200V機器用に電気配線も行います。基本的には行うことはこれだけなので、それほど難しくなく、費用も機器代と電気工事費程度で済みます。

熱源がガスならば、高効率なガス機器を選ぶのが、ポイントです。たとえば、ガス給湯器の熱効率をアップさせたのが、「エコジョーズ」です。使用するガス量が約13％削減でき、CO2の排出を抑制します。また、都市ガスやLPガスから取り出した水素と、空気中の酸素を化学反応させて、電気をつくり、発電時に生まれた熱でお湯をつくるのが、「エネファーム」（家庭用燃料電池）です。CO2の排出を抑制し、地球環境に優しく、無理なくエコな生活を実現する機器です。

自分の好みが良くわからないという場合は、いろいろな実例写真をインターネットのリフォームサイトなどで見てみることを、お薦めします。たくさん見ることで、「自分ならこういうふうにしたいな」というアイデアが浮かんでくるはずです。

好きなテイストは言葉にするのが難しく、「いいな」と思う画像をストックしていくのが一番です。

「こうしたい」というイメージを、言葉で伝えるのは難しいものです。そこで、写真をフル活用しましょう。普段から、気に入ったインテリアの写真をスクラップしたり、ネットの画像をダウンロードして、クラウドのアルバムに保存しておくなど、「好き」を溜めていくことが大切です。もちろん、プリントアウトして切り抜きのスクラップと一緒にしておけば、リフォーム会社の担当者と共有しやすく、あなたのイメージが伝わり易いはずです。

幅広くリフォーム会社のことを知るためにインターネットで検索するのが早いでしょう。まずは、多数のリフォーム会社を紹介するサイト（リフォームポータルサイト）を閲覧してみるのも良いでしょう。リフォームポータルサイトを見れば、エリア別にさまざまな会社があることがわかります。気になる会社を見つけて、各社のホームページに飛べば、さらに詳しい情報が得られます。

ホームページで施工例をチェックすれば、自分の好みの空間にマッチしているかどうかわかります。さらに、「会社概要」を見れば、建築許可を受けた会社か、有資格者が何人いるか、いつから営業しているのかなどが、すぐにわかります。

最終的にはあなたが話してみて、見積もりやプランを依頼し、その内容に納得がいってから契約しましょう。

リフォーム会社は住まいのホームドクター的な役割をしているため、地域密着型の小規模企業が多いのが特徴です。地域の工務店が一部門として、リフォーム事業を行っている場合もあります。規模の大小ではなく、地域の人にどれだけ信頼されて、実績があるかがポイント。インターネットでクチコミ評価を見たりして、評判をチェックするのもよいでしょう。

幅広くいろいろなリフォームに対応できる会社もたくさんありますが、やはりそれぞれ得意としている分野があります。例えば、スタイリッシュなリフォームを得意としている、耐震リフォームが得意、実質優先でリーズナブルなリフォームが得意、水回りの設備工事が得意……など。その中からふさわしい会社を選ぶためには、まず自分がどのようなリフォームをしたいのかをじっくり考えてみることが大切です。そのうえで会社の特徴を調べれば、自分に合う会社かどうかがわかります。

最初から1社に絞るのはむずかしいものです。何社かに声をかけて話を聞いてみましょう。電話で問い合わせたり、会社に足を運んだりしましょう。会社によっては自社ショールームを持っているケースもあります。

会社に行ったら、社員や社内を観察して、さりげなく周囲をチェックしましょう。雰囲気がいいなとか、ちょっと掃除が行き届いていないと感じるなどの印象は大切です。そうした中から気になる会社があれば、数社にプラン・見積もり提案を依頼しましょう。比較検討しながら、段階を踏んで絞っていくことで理想の依頼先に巡り会えるでしょう。

まず、どのようなリフォームを考えているのかを伝えることです。電話では、予算や住宅の規模、築年数、いつリフォームをしたいと考えているのかまで、聞かれることもあります。あらかじめ調べて、メモしておいてから電話をするとスムーズでしょう。現場を見るために、訪問日の調整になる可能性が高いので、ご自身や家族の予定もチェックしておきましょう。

リフォーム会社に予算を伝えないと、会社としてはどのような提案をしていいのかわかりません。予算によって、リフォームの工事範囲も内容も変化するからです。予算が決まっているなら、なるべく正直に伝えましょう。これぐらいなら可能といった、おおよその数字を出してみるだけでもよいです。後は、実際に見積もりをとってから、細かい修正をすることになります。

写真で見るだけでなく、実際に実例を見せてもらうことも大切です。

担当者が、貴方のご希望に近い自社の事例を探して、持ち主が見学OKをしてくれれば、案内してくれます。また、現場見学会を開催している会社もあるので、ホームページなどで情報をキャッチしたら積極的に参加してみましょう。　

会社概要には、その会社の沿革、事業内容、許認可や資格、資本金、加盟団体などが記載されています。いつからどこで営業しているのかがわかり、資本金や従業員数などから会社規模がわかります。また、建設業そのほかの許認可、在籍者の資格なども要チェックです。問い合わせや資料請求をする前に、必ず目を通しておきましょう。

建設業許可番号は、その会社が建設業の許可を得ているかどうかを示すものです。請負代金500万円以下の工事は許可がいりませんが、それ以上になると建設業の許可がいります。1つの都道府県に営業所を設けている場合は知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を設けている場合は国土交通大臣許可となります。

建築士は国家資格で、「一級」、「二級」と「木造」があります。一級建築士は規模や構造に関係なく設計・工事監理ができ、二級建築士は高さ13ｍ以下など規模に制限があります。木造建築士は木造2階建てまでの設計・工事監理ができます。

公益社団法人インテリア産業協会による民間資格です。インテリア(家具・ファブリック、照明器具など)に関する幅広い知識を持ち、インテリア計画やアドバイスなどができます。

リフォーム会社には、インテリアコーディネーターの資格を持つ担当者がいる場合もあるので、照明や家具など、空間づくりも相談したいなら、インテリアコーディネーターが在籍している会社を探してみるのもよいでしょう。

公益社団法人インテリア産業協会による民間資格です。加熱機器や浄水器、食器洗い乾燥機など、キッチンの設備機器に関して、機能や仕様を熟知しているのはもちろん、設計や施工に関する知識をもっています。キッチンの空間構成や使い方、メンテナンスなどの相談にものってくれるスペシャリストです。

プランや見積もりは申し分ないけれど、担当者とどうしても気が合わないというときは、そのことを率直に担当者の上司に伝えましょう。ほかの担当者を紹介してくれるはずです。その際「○○さんは優秀だと思うけど、私とはちょっとセンスが合わないので」などと、相手を傷つけない言い方をすれば問題ないでしょう。

インテリアコーディネーターやキッチンスペシャリストのほかにもリフォームに関連する資格を一覧表にまとめました。               

●建築施工管理技士	施工計画を作成し、現場で工事の進行を指揮・監督できる	国家資格
●マンションリフォームマネージャー	マンションリフォームの企画・提案などを行う	民間資格 （公益財団法人・住宅リフォーム・紛争処理支援センター）
●増改築相談員	建築の現場経験が豊富なアドバイザー	民間資格 （公益財団法人・住宅リフォーム・紛争処理支援センター）
●福祉住環境コーディネーター	高齢者や障害者が住みやすい住環境づくりを提案する	国家資格

リフォーム会社選びは、資料請求、打ち合わせ、プラン・見積もり提案といった段取りを踏んで、最終的に1社を選びます。決める際には、プランと見積もりを慎重に比較検討して、一番気に入ったところを選びましょう。その際、予算に合っているかどうかも重要です。

「キッチンリフォーム講座」の記事も参考にしてください

【リフォームの依頼先選び03】- プランと見積もりの依頼

希望のリフォームを実現するためには、担当者と何度も話し合って進めていくことが大切です。やはり気の合う相手だと、リラックスして何でも相談することができ、話し合いの中からよいアイデアも出てくるでしょう。プランや見積もりの比較だけでは、迷って結論が出ないときは、担当者との相性で決めてはいかがでしょうか。

プランや見積もりは申し分ないけれど、担当者とどうしても気が合わないというときは、そのことを率直に担当者の上司に伝えましょう。ほかの人を紹介してくれるはずです。その際「○○さんは優秀だと思うけど、私とはちょっとセンスが合わないので」などと、相手を傷つけない言い方をすれば問題ないでしょう。

どんなプランや材料にも長所と短所があるもの。例えば、間仕切りを外して部屋を広くすれば冷暖房が効きにくくなる、収納を増やせば部屋は狭くなる、といったようなことがあり得ます。そうしたメリット・デメリットをはっきり教えてくれる担当者なら信頼がおけるでしょう。確かな専門知識を持っていて、施主に対して的確なアドバイスができるということです。

いきなり訪問してきて、強引に屋根裏や床下を点検するふりをし、「工事がいますぐ必要だ」といって契約を迫るのが「点検商法」です。また、「屋根を直しましょう」「外壁もひび割れています」などと工事を次から次へと勧める「次々商法」もあります。こういう悪質な手口にひっかからないためには、素性のわからない業者と契約をしないことが大切です。多少時間をかけてでも、依頼先はじっくり、慎重に選ぶべきです。

リフォームのプランは設計図であらわされます。ただ、設計図を見ても素人にはなかなかイメージしづらいので、担当者に説明してもらいましょう。手書きのパースやCGを作成してもらうとわかりやすくなります。とくに平面図ではわかりにくいドアの高さや収納などを立体的に描いてもらい、部屋全体のイメージを明確にしましょう。

一般的に最初のプランは無料で提案してくれるケースが多いのですが、提案内容によっては有料であったり、2回目からは費用が発生する会社もあります。事前にきちんと確認をしておきましょう。なるべく早めに会社を絞って、1社とじっくり内容を詰めいくのが賢い方法です。そのほうが会社のほうでもより力を入れて取り組んでくれます。

まずは訪問日を決めて、自宅などリフォームする現場に来てもらいます。これを現場調査（現調）といいます。リフォームする現場を見ないことには、プラン作成ができません。部分的なリフォームの場合でも劣化状態などをチェックするために家全体を見てもらったほうがよいでしょう。

訪問日を決めて、自宅などリフォームする現場に来てもらいます。現場調査では、採寸と現状確認を行います。既存図面があっても、誤差が生じている可能性もあるので、あらためて現在の状態で採寸を行います。また、建物の劣化状況や構造の様子も調べます。耐震補強まで考えている場合は、天井裏に入り込んだり、器具を使って基礎を調べたりします。そのうえで、どのようなリフォームをしたいのか要望を確認しながら、打ち合わせを行います。

調査に来るのはプランを作成するプランナーや営業担当者です。調べやすいように2人1組で来るケースが多いようです。主婦や子育て目線でのアドバイスがほしいのであれば、女性の担当者を希望するとよいでしょう。その場合は、あらかじめリフォーム会社に希望を伝えておくようにしましょう。

「プランナー」とはリフォームの設計ができる人ですが、会社によっていろいろな呼び方をしています。たとえば、「デザイナー」や「コーディネーター」、「パートナー」といった呼び方をする場合もあります。プランナーはその代表的な名称です。施主の希望を聞いて、設計に反映したり、トレンドなども取り入れながら、よりよいリフォームとなるように、アドバイスもしてくれる頼りになる存在です。

営業担当者は文字どおり、会社の窓口となって、施主とプランナーや現場との橋渡しをしてくれる存在です。費用のことなどお金の相談の窓口ともなります。

営業担当者はその経験からプラン作成もできる人が多く、建築士の資格を持った営業担当者もいます。単に営業をするだけでなく、現場を見てさまざまなアドバイスもできるので、営業とプランナーを兼ねている人も少なくありません。

要望しているリフォームの内容にもよりますが、2～3時間はかかると思ってよいでしょう。ていねいに見てくれているか、話をよく聞いてくれるかなど、現場調査での対応は、担当者ひいては会社をチェックするよい機会でもあります。

建築当時の設計図（マンションなら販売当時の平面図）があれば、コピーをとって用意しておきましょう。図面を見ながら、「ここをこうしたい」とプランの希望を伝えることができますし、現場調査の際の参考資料にもなります。

担当者はまず現場を見て、リフォームの希望を聞きます。現状の不満や希望を伝えると、担当者のほうでは、それに対してより暮らしやすくなるようアドバイスをしてくれます。予算内では厳しいとか、こうしたらどうでしょうといった別のアイデアが出てくるかもしれません。きちんとアドバイスしてくれるような会社なら安心です。

いろいろな話をしているうちに、伝え忘れることも多いと思います。希望をもれなく担当者に伝えるために、改善したい現在の困りごとや、したい暮らしのイメージ、外せない要望などを一覧表にして書面にまとめておくとよいでしょう。それを担当者と共有して、打ち合わせを進めるとスムーズです。

家族みんなが揃うことはなかなか大変です。当日に意見が食い違うこともあるので、むしろそれまでに家族の意見を出し合ってまとめておくのがよいでしょう。ただし、すべてを叶えることはむずかしいので、みんなが納得の上で優先順位をつけておきましょう。そうすれば、予算を超過しそうなときに、順位の低いものから外していけます。

漠然としたイメージしかないという場合でも、心配する必要はありません。リフォーム会社の担当者が、会話の中からあなたの希望をキャッチしてくれるはずです。趣味の話や家族のことなどをとりとめなく話しながら、上手に意向を聞き出してくれます。会話の中から思わぬアイデアが飛び出してくるかもしれません。身構えすぎず、リラックスして、暮らしのさまざまなことを話すのがおすすすめです。

そこに住むのはあなたです。いくらプロだからといって担当者にまかせきりにしたのでは、満足のいくリフォームはできません。逆に、一方的にプランを押しつけてくるような担当者はもあまりよいとはいえません。自分たちの要望は反映されているのか、意見をちゃんと聞いてもらった上で、プロならではの提案を付け加えてもらえているかを確認しながら、プランづくりを楽しみましょう。

イメージをコトバで伝えるのはなかなかむずかしいものです。誤解も生じがちになります。ふだんからインターネットや雑誌などで自分のイメージに合う実例を見つけたら、収集するようにしましょう。ネット上の画像なら簡単に共有できますし、雑誌などの印刷物なら一覧で見られるようにファイルしておくと便利です。

そうすることで、自分の好みのイメージも確認できますし、担当者に視覚的に伝えることができます。

こうしたいということがはっきりしている場合は、細かいところまできちんと伝えたほうがよいです。あいまいに伝えるよりむしろ喜ばれます。一方、希望がはっきりしていないからといってダメというわけではありません。その場合は、担当者とできるだけコミュニケーションをとりながら、イメージを伝えていくことが大切です。

担当者との打ち合わせでは、途中で希望を部分的に修正することも多いでしょう。打ち合わせ中に述べた変更点などについては、メモをコピーしてもらうなど、双方で共有できるようにして保管しておきましょう。そうすれば、後で「言った」「言わない」のもめ事を防ぐことができるので安心です。

プランは納得できるまで何度でも作ってもらいましょう。ただし、1回目は一般的に無料ですが、2回目からは料金がかかるケースもあります。事前に確認しておきましょう。1回目のプランは数社から提案してもらうことも多いですが、2回目からはできれば会社を1社に絞って、じっくりプランを練っていくのがよいでしょう。

平面図やパースを見て、自分の希望がきちんと反映されているかを確認し見ましょう。さらに、自分が希望した以外にもプロとしての提案が盛り込まれているかどうかもポイントです。自分が予想しなかった楽しいアイデアが提案されていることもあるでしょう。

プランは主に平面図で示されますが、間取り変更を伴う場合は、その間取りの中でどのような暮らしができるのか、図をたどりながらシミュレーションしてみましょう。動線はスムーズか、使い勝手はよいか、日当たりや風通しはどうなのか。さらに家具はどのように置けるのかなど、細かなことも重要です。さらに、スマホなど充電のことも考えて、コンセントの数以外にも「位置」が暮らしに大いに影響します。細かなところもチェックしましょう。

ドアの高さや収納の位置、大きさ、窓の大きさなど平面図ではわからないものもあります。それらはパースや展開図（立面の様子がわかる図面）を描いてもらって、ひとつひとつていねいに説明してもらいましょう。ドアなどはデザインもわかるように、図や写真を用意してもらうとよいでしょう。

動線は住まいの中での人の動きをあらわすもので、間取りを考えるときに欠かせないポイントです。動線が悪いと、家事をするときに無駄な動きが多くなって疲れたり、お客様が来ているときに家族が動きにくかったりなど、さまざまな不都合が生じます。たとえば、キッチンの作業は、コンロ、シンク、冷蔵庫を結ぶトライアングルで考えて、動く距離を長くしすぎないのが基本。キッチン空間のレイアウトによっても動線が違ってくるので、考慮して選びましょう。

スイッチやコンセントはどこでどんな家電を使うのかを考慮して、位置と数を決めます。最近は、パソコン関連やAV関連機器が多用化しているので、多めに設けておくのがよいでしょう。せっかくコンセントを設けても家具で隠れてしまっては何もならないので、あらかじめソファや収納家具、ベッドなどを置く位置を決めておきましょう。

高齢化すると転びやすくなり、家庭内での事故が増えます。床の段差をなくしたり、廊下、トイレなどに手すりを付けましょう。廊下などは後で付けられるように下地補強をしておくだけでもいいでしょう。また、設備機器ではバリアフリー設計のバスや、座ったままで料理ができる車いす・高齢者用キッチンもあります。

一戸建ての場合は、最も泥棒にねらわれやすいのは窓なので、破られにくいガラスに替えることが肝心です。防犯ガラスや格子窓にしたり、もしくは、防犯フィルムを貼る方法ならより手軽に対策できます。マンションの場合は、特に1階がねらわれやすいので、ベランダ側のガラスにフィルムなどの対策をしましょう。（写真はペアガラス2重ロック付きのもの）

玄関ドアは不正解錠に強い高性能な錠に替え、2ロック以上設けておくと安心です。スマホやICカード・指紋や音声などの生体認証で操作できるスマートキー（電子錠）対応の玄関ドアを選ぶのもよいでしょう。

ショールームには設備機器メーカーの商品が一堂に展示されています。キッチンやバス、トイレなどは実際の大きさで見ておくのがおすすめです。自由に出入りするのが可能なところと、予約が必須になっている場合があります。予約が必要な場合は、事前に予約をします（ネット上で予約できる場合がほとんど）。スタッフが常駐しているので、是非説明を聞いてみましょう。

設備機器はカタログでチェックして、さらにそれを実物で確認してから選ぶのが安心です。キッチンの高さやお風呂の広さなども実感できます。

色・柄は特にも実物で確認した方が良いです。写真で見ていたものが、実物大の大きな面になると印象がは変わることもあります。また、写真ではわかりにくかったツヤなどもよくわかります。

設備機器メーカーのショールームでは販売は行っていません。購入はあくまでリフォームを依頼した会社から行います。ショールームに行ったら売り込みをされるのでないかと心配する必要はありません。

ショールームでは触って使い勝手をみることができます。収納を開け閉めしたり、棚を上げ下ろししたり、ふだんの作業を思い浮かべながら、いろいろと使い勝手を試してみましょう。カタログに書いてあることが、実際に動作してみることでより体感として理解できます。

ショールームにはスタッフが常駐しています。聞きたいことがあったら、声をかけて説明をしてもらいましょう。商品知識を持つ専門のスタッフなので、商品に関することを詳しく答えてくれます。また、システムキッチンはパーツの組み合わせやサイズなどで価格が変わりますので、見積もりを依頼することができます（この場合はメーカー希望小売価格で見積りが提出されます)

ショールームにはたくさんの商品が並んでいるので、全部じっくり見ていると時間がかかります。効率よく見るためには、事前にカタログをチェックして、お目当ての商品を決めておきましょう。そうすればゆっくり見ることができます。

リフォームしたい家の図面、もしくは新しく作成したリフォームプランの図面を持参しましょう。どんなサイズやレイアウトが可能なのかなどがわかり、商品検討に役立ちます。

物を見るときは、高さやカウンターの奥行き、間口などのサイズを確認しましょう。自分にとって使いやすいのかどうかを実感してみることが大切です。最近は収納が充実しているので、一つひとつ開け閉めして確認しましょう。しまいやすさや取り出しやすさなど、機能性を慎重にチェックしましょう。

ショールームでは収納ユニットや冷蔵庫と、システムキッチンを組み合わせて展示されています。実際に作業していることをイメージしながらそのキッチンに立ってみると、作業動線が実感的にわかります。Ⅰ型やL字型、アイランド型などさまざまなレイアウトを試してみることができます。

いろんな組み合わせを見ることで、意外なカラーが気に入ったり、イメージしやすくなったりします。自宅にセッティングした時のイメージがよりつかみやすくなります。

キッチンは収納扉の色やデザイン、質感によって見た目が異なり、価格も大きく変わります。カタログの写真では違いがわかりにくいのものも、実物を見るとかなり違う場合もあります。触った質感も大切です。展示されているものに加えて、扉のサンプルをたくさん見ることができるので、必ず確認しましょう。

家の図面を持参しましょう。LDKや空間全体の希望やイメージを述べれば、レイアウトプランを提案してもらえます。事前にプラン提案をして欲しい旨を、電話予約する時に伝えておくとスムーズです。

システムバスはサイズが規格化されています。どのサイズが選べるかは、リフォームする家の面積とも関わってきます。自分が選べる広さを実感できるのがショールーム。実際に浴槽に入ってみて、いろいろなサイズを体験できます。シャワーや水栓金具も触ってみて、操作性などをチェックしましょう。

洗面化粧台はカウンターやボウルのサイズがいろいろ揃っています。鏡やカウンターはどれぐらいの大きさがいいのか、その前に立ってみることで、実感できます。洗面室全体のスペースの制約により、選べるものが決まってきます。カウンターまわりの拭き掃除はしやすそうか、収納は十分かなどもチェックしましょう。必要ならキャビネットの追加も検討しましょう。

ショールームは自由に入って商品を見ることができます。事前に電話やネットから予約をしておくと、スタッフが待っていてくれて、説明を聞くことができます。できれば予約しておくことをオススメします。

リフォーム会社の担当者はプランのことや建築条件についても把握しているので、同行してもらうのは良い方法です。プランに沿って説明を聞けますし、商品を選ぶことができます。商品知識が豊富な担当者なら、じっくり説明してくれるでしょう。

リフォーム会社にもショールームを持つところがあります。建材も含めて空間提案をしている場合もあり、プランづくりの参考にもなります。設備機器メーカーのショールームと併せてご覧になると良いでしょう。

リフォームは工事内容によって費用が変わります。まずリフォームする家に来て、現場調査をしてもらいます。そのうえで「このようなリフォームをしたい」という希望をリフォーム会社に伝えて、プランと見積もりを提案してもらいましょう。

まずどこをリフォームしたいのか、工事の範囲を伝えます。さらにどのようにしたいのか、例えば、「キッチンを取り替えて、リビングまで内装を一新したい」など具体的な内容を伝えます。さらに、どんな設備を入れたいのか、床材はや壁紙などのイメージなど設備・建材の商品を指定します。最初は商品がわからなければ、リフォーム会社が標準的に採用しているもので見積もってもらってもよいでしょう。最終的には商品を自分で選んで指定します。

実際に工事を依頼するときには、どんな小さな工事でも必ず事前に「見積書」をもらいましょう。この書類が証拠になって、後々のトラブルを防止することができます。

見積もりはプランと一緒に提案されます。「このプランがこの費用でできます」と提案されるわけです。プランは平面図など設計図で提案され、見積もりは見積書という書面で提案されます。

まずどこをリフォームしたいのか、工事の範囲を伝えます。さらにどのようにしたいのか、例えば、「キッチンを取り替えて、リビングまで内装を一新したい」など具体的な内容を伝えます。さらに、どんな設備を入れたいのか、床材はや壁紙などのイメージなど設備・建材の商品を指定します。最初は商品がわからなければ、リフォーム会社が標準的に採用しているもので見積もってもらってもよいでしょう。最終的には商品を自分で選んで指定します。

全部でいくら、というだけでは工事の中身がわかりません。工事の内容や設備・建材が何を使うと特定されて、それらの単価と量が記載された「明細」が付いているのがよい見積書です。

工事の金額がわかるのはもちろんのこと、どのような工事が行われるのかもわかります。例えば、キッチン工事の項目に下記のようにあれば、既存キッチン解体と処分、給排水管の工事を行い、電気配線工事を行って、下地を補修した後に新しいシステムキッチンを設置するという一連の流れがわかります。

工事項目、仕様（材料名）、数量、単価、金額欄でそれぞれの内容がわかります。
見積書のキッチンのリフォーム工事の例で見ていきましょう。

まず工事の名称を見ていきます。ここでは「床合板張り」から見てみましょう。まずキッチンの下地として合板を張ることがわかります。その金額は1セット分45,000円です。次に壁・天井にクロスを張りますが、そのグレードは標準的なもので、1㎡当たり1800円(別途施工費を記載していない場合は施工費を確認しましょう)で、面積は24㎡あり、合計43,200円となります。さらに仕上げは、クッションフロア張りということがわかります。９㎡に張り、単価3,500円で31,500円ということがわかります。

なお、これらの金額が税込みなのかどうかを確認しておきましょう。税込みでない場合はトータルな金額に消費税を加えなければなりません。

1社から見積もりをとるだけでは比較検討ができません。特別気に入っている会社がある場合は別ですが、一般には２、３社から見積もりをとって比べることが一般的です。ただし、あまり多くの会社からとると、打ち合わせや比較検討に要する時間も大変です。それまでにしっかり会社を検討して、絞っておきましょう。

事前に担当者に伝えておくのがフェアでしょう。知っておいてもらったほうが、会社同士、いい意味でライバル意識を燃やして、よいプランを提案してくれることもあり得ます。とはいえ、むやみに費用を競わせるのは、リフォーム会社としてもあまりよい感じを持ちません。費用の違いがどんな理由によるものなのか、きちんと説明を受けてから判断するのがよいでしょう。

リフォーム会社に個々バラバラな希望を伝えたのでは、比較検討になりません。同じ希望と予算などの条件を伝えましょう。そのうえで出てきたものを比べると、各社の違いがよくわかります。

費用の総額だけを見て、高い安いと比較しても意味はありません。中身が肝心。どんな設備や建材を使っているのか、カタログやサンプルを参照して比べましょう。また、施工の方法や工事の範囲も要チェックです。これらは見積もりを自分で見てもわからないことも多いですから、担当者にじっくり説明してもらいましょう。他社と金額差の大きい部分はその理由をしっかり聞いておきたいものです。

何％値引きしますといわれても、実は素人には元の価格の妥当性はよくわからないものです。同じ商品の場合はともかく、別々の商品でそれぞれが何％引きといわれても値引率だけでは判断はできません。値引き率が大きいからといって、必ずしもトクになっているとは限らないのです。くれぐれも値引率に目を奪われないで、その商品を本当に採用したいのかどうかをよく考えて判断しましょう。

例えば大規模リフォームで仮住まいをするときにはその家賃と2度にわたる引っ越し費用がかかります。新しくなった空間に合うよう家具やカーテン、照明器具を購入する費用は通常リフォーム工事の見積もりには含まれません。

ローンを借りるときは関連費用がかかりますし、増築のときには登記費用などもかかります。ローンや登記、税金などは諸費用と呼ばれます。自分のリフォームの内容に応じて、見積もり外の費用がいくらかかるのかを担当者に確認しておきましょう。　

リフォームの工事契約を行うとき印紙税として、請負代金が500万円を超えると１万円かかります。そのほか増築やローンを利用するとき、中古住宅を購入するときにはさまざまな諸費用がかかります。それを一覧にまとめました。自分のやることに応じて、事前に計算して費用を用意しましょう。

◎こんなこんなとき、こんな諸費用がかかる（※費用は2021年現在の数字）

＜増築＞	費用（もしくは費用の確認先）
●契約時の印紙税	契約金額100万円超500万円以下は1000円、500万円超1000万円以下は5000円
●建築確認申請	役所の担当課
●登記費用	土地家屋調査士事務所
●固定資産税・都市計画税	管轄の税務署
●不動産取得税	増築した部分の評価額×３％ （増築後の床面積が50㎡以上240㎡以下は固定資産税評価額から1200万円控除）

＜ローン利用＞	費用（もしくは費用の確認先）
●契約時の印紙税	融資額が100万円超500万円以下は2000円、500万円超1000万円以下は1万円
●融資手数料	金融機関
●抵当権設定登記費用（有担保の場合）	登録免許税（融資額×0.4％）と司法書士報酬
●保証料（有担保の場合）	金融機関
●火災保険料（有担保の場合）	保険会社

＜中古住宅購入＞	費用（もしくは費用の確認先）
●契約時の印紙税	売買代金が1000万円超5000万円以下は１万円
●所有権移転登記費用	登録免許税（土地は固定資産税評価額の１％、建物は一定条件を満たすと３％※）と司法書士報酬
●仲介手数料	取引価格400万円超の場合の上限＝（物件価格×３％＋６万円）＋消費税
●不動産取得税	固定資産税評価額の３％。一定の条件※を満たすと建築年に応じて一定額を控除
●固定資産税・都市計画税	管轄の税務署

※床面積50㎡以上、築後25年（木造20年）以内もしくは耐震基準を満たす場合

床や壁を剥がしたときに柱や土台が腐っていれば、それを取り替えたり補強しなければなりません。そのために追加費用が発生します。また、途中で工事の範囲を広げたり、設備機器のグレードを上げたりすることも追加費用の要因となります。

心づもりしていた予算より多くかかってしまう場合が多いのは確か。ある程度予算に余裕を持つことが大切です。設備機器は後で変更しなくてもよいよう、契約までに慎重に選んでおきましょう。

最初からローンの利用を考えないで、いま使えるお金がいくらあるのかを計算してみましょう。貯蓄額から今後使う予定のお金を差し引いた額がリフォームに使えるお金です。子どもの教育費や住宅ローンの返済などを考慮しましょう。また、リフォームをして生活に余裕がなくなったのでは本末転倒。旅行や車の購入などに使える費用も残しておきたいものです。さらに老後のための資金も大切。家計やライフスタイルを十分に考慮しておきましょう。

住宅ローンやリフォームローンを使うことができます。ただし実際に利用できるかどうかは、金融機関による返済能力審査で決まります。とくに現在住宅ローンを返済中の場合は、さらにリフォームのための借り入れもできるかどうかをその金融機関に相談してみましょう。

住宅ローンやリフォームローンを使うことができます。ただし実際に利用できるかどうかは、金融機関による返済能力審査で決まります。とくに現在住宅ローンを返済中の場合は、さらにリフォームのための借り入れもできるかどうかをその金融機関に相談してみましょう。

最初からローンの利用を考えないで、いま使えるお金がいくらあるのかを計算してみましょう。貯蓄額から今後使う予定のお金を差し引いた額がリフォームに使えるお金です。子どもの教育費や住宅ローンの返済などを考慮しましょう。また、リフォームをして生活に余裕がなくなったのでは本末転倒。旅行や車の購入などに使える費用も残しておきたいものです。さらに老後のための資金も大切。家計やライフスタイルを十分に考慮しておきましょう。

リフォームに使える銀行ローンには、無担保のリフォームローンと有担保の住宅ローンがあります。それぞれにメリット・デメリットがあります。また、使えるかどうか審査が必要になるので銀行に相談してみましょう。公的なローンには、住宅金融支援機構のリフォーム融資（耐震改修・高齢者向けなど限定）、財形住宅金融の住宅改良融資があります。

リフォームローン（無担保ローン）（※2023年現在の数字です）

◎メリット	×デメリット
審査が早い	金利が高い
抵当権設定が不要	借り入れ可能限度額が少ない（300万円～1000万円程度）
諸費用が少ない	返済期間が短い（10年～15年程度）

住宅ローン（有担保ローン）（※2023年現在の数字です）

◎メリット	×デメリット
借り入れ可能限度額が多い	審査期間が長い
返済期間が長い（最長35年）	諸費用が多い
金利が低い
抵当権設定が必要	抵当権設定が不要

耐震リフォームには自治体が補助を行うケースがあります。耐震診断を行う建築士を派遣し、診断の結果、大地震時に「倒壊のおそれがある」または「やや危険がある」と判断された場合に、それを補強する工事費の補助を行います。診断も無料で行うケースがあります。制度の有無や詳細は地元の自治体にお問い合わせ下さい。

要介護・要支援認定を受けている人が一定のリフォーム（下表参照）を行ったとき、介護保険から上限20万円まで住宅改修費用が支給されます。収入に応じて1割～３割の自己負担ですみます。上記認定を受けている人でも対象外の工事には補助は出ません。ケアマネージャーに相談しながら進めましょう。

介護保険制度によるリフォーム補助（※2023年現在の数字です）

補助限度額	20万円（うち1割または2割または3割自己負担）
利用できる人	在宅の要介護・要支援認定を受けた人
対象となる工事	手すり取り付け、床段差の解消、すべり防止など通路面の材料変更、引き戸への取り替え、洋式便器への取り替えおよび付帯工事

現金でリフォームする場合、5年以上のローンでリフォームをする場合、それぞれに税金が控除される制度があります。

省エネリフォームは、窓の断熱改修、床・壁などの断熱工事で、「次世代省エネルギー基準」以上の性能を持たせなければなりません。

工事費は大規模リフォームの場合、契約時、工事の中間時、工事完了後など３回ぐらいに分けて支払うことが多いようです。小規模の場合は完了後が一般的です。いずれにしても契約時にそれをきちんと取り決めて、契約書に記載しておく必要があります。

一度に工事を行うほうが費用的には割安ですが、どうしても都合がつかないときは、将来さらに工事を行うという前提で、当面の設計を行ってもらうとよいでしょう。そうすればやりなおしなどで、無駄な費用が発生しなくてすみます。この場合、同じ会社に将来も依頼するのが前提です。

工事費用の中で解体・処分費の占める割合は決して少なくありません。例えば床を張るにしても、既存のフローリングの上に重ねて張れば、解体・撤去費用を省くことができます。屋根や外壁にも上張り工法は適用できます。ただし、いずれも下地の傷みがなく、しっかりしていることが前提です。リフォーム会社によく相談してみる必要があります。

定価制の場合はあらかじめ材料や工事内容など仕様を決めて、基準となる価格を出しています。しかし材料を変えたり、工事内容を変えたりすれば、当然ながら費用は変動します。したがって定価制といえども見積もりをもらわない限り、正確な費用は出ないと思ったほうがいいでしょう。とはいえ、ある程度価格の目安があることで、資金計画の参考になります。

例：
定価制：リフォーム面積が30坪（約99㎡）の場合の価格の目安
坪単価20万円（標準仕様の場合の基準価格）×リフォーム面積30坪＝合計金額600万円

注：仕様（材料や施工方法）を変えると価格は変動します

昔から建築工事費の目安として使われてきたのが「坪単価」。１坪（約3.3㎡）当たりの工事費のことです。リフォーム面積20坪で工事費が400万円なら坪単価は20万円になります。

契約後に金額に変動があると、予算が足りなくなったりなど計画通りに進まないことがあります。それを避けるためには、見積もりをしっかり確認しておくこと。また、設計が変動しても費用に影響することがあります。設計図でプランの内容を漏らさず確認しておきましょう。しっかりと確認し、プランに納得してから契約書にはんこを押しましょう。

契約は口約束でも可能です。しかし、小規模工事でもきちんと文書に残しておかないと、どんな内容で契約をしたかの証拠がないということになります。後々のトラブルを防止するためにも必ず契約は書面で取り交わし、双方が署名・捺印を行いましょう。

契約に伴う書類には、「契約書」および「約款」、「見積書」、「設計図書（各種設計図と仕様・仕上げ表）」があります。このうち契約書は、基本的な重要事項を網羅したもので、施主、請負会社双方の名前、住所、請負金額、代金の支払い回数と時期などが記載されます。金額に誤りがないかなど、よく確認しましょう。

契約約款は契約書とセットになったもので、契約に伴うさまざまな取り決めを記載したものです。会社によって多少内容は異なりますが、工期遅延など工事を遂行するにあたって発生しがちなさまざまな問題にどう対処するかなどを記載しています。

訪問販売で契約した場合に限って無条件に解約できるのが、特定商取引法に基づく「クーリングオフ」という制度。クーリングオフは、契約をした日から8日以内に郵便など書面で行います。発信した証拠が郵便局に残る内容証明郵便が最適な方法です。文書を発信した時点で効力を発揮するので、契約から8日以内に発信していれば、相手に届くのが8日目を過ぎていても大丈夫です。

依頼先が決まったら、他社には電話でもメールでも理由を簡潔に述べて、速やかにお断りしましょう。連絡をせずにだらだらと放っておくのはよくありません。　

リフォームの工期は、工事内容や規模などによって変わります。トイレ交換だけなど短い場合は半日や1日ですむ場合もありますし、全面リフォームでは1～３カ月かかることもあります。いつ着工して、いつ完成するのかをあらかじめ確認しておくとともに、契約書にも記載してもらっておくと安心でしょう。

契約を何らかの理由で破棄することはできます。ただし、施主の自己都合による場合は、設計料などが実費精算されることもあります。また、設備や建材をすでに発注している場合は、その代金の支払いを求められる場合も。くれぐれも契約は慎重に行いましょう。

いつどんな工事を行うのかを表にしたのが「工程表」。工事が始まる前に必ずもらっておきましょう。工事のスケジュールがわかっていれば、外出など生活のスケジュール調整もやりやすいでしょう。

食器棚の中身やタンスの中身などは、自分たちできちんと工事をしない場所に片付けておきましょう。大型の家具そのものは、お願いすれば職人さんに片づけてもらうこともできます。高価なものはトランクルームや銀行の金庫に預けておけば安心です。

工事が始まると騒音や悪臭などで何かと近所に迷惑をかけます。1週間ぐらい前までに必ず挨拶回りをしておきましょう。向こう３軒両隣と後ろの３軒。マンションなら上下６戸と両隣は最低限行っておきましょう。お菓子など手土産を持ってうかがい、工事の内容や予定などを伝えておきます。リフォーム会社の担当者に同行してもらって、工事の説明をしてもらうもよいでしょう。

マンションではリフォーム工事が始まる前に予定を管理組合に伝えなければなりません。また、フローリングの遮音等級などが管理規約に違反していないかを確認してもらう必要もあります。事前に規約を読んでおきましょう。

内装や設備を一度に全部解体してしまう大規模リフォームでは、仮住まいが必要になります。その場合は引っ越し代や家賃を予算に含めておかなければなりません。工期が延びればその分、家賃もかさむので、契約時に工期が延びた時の損害賠償の取り決めもきちんとしておきましょう。

リフォーム工事にかかわる職種はさまざまです。大工さんから電気、給排水、クロス張りなど、工事の種類が変わるたびに別の職人さんが出入りします。そういうものだと事前にわかっていれば、職人さんが変わるたびに驚くこともないでしょう。

木材をカットしたり、釘打ちをしたり、騒音を伴う工事は多いもの。また、ホコリなども飛び散ります。したがって、日中はなるべく工事の場所から離れたところで過ごすようにしましょう。いつまでもうるさいわけではなく、仕上げに入ると比較的静かになります。

騒音の中でずっと我慢している必要はありません。ときには外出して気分転換しましょう。但し、貴重品等の管理は自己責任ですから、注意しましょう。

帰りが遅くなることがわかっているときは、鍵を預けて出かけましょう。ただし必ず営業担当者に預けてください。その日の工事が終わったら、鍵を閉めて、その鍵は会社に持ち帰ってもらいましょう。自分は合い鍵を持って出かける必要があります。預けっぱなしになるのが不安なら、預かり証をつくって、いつ預けたのか、管理者は誰かなどを明記しもらうとよいでしょう。

住みながらの工事の場合、トイレ工事中はトイレを使えません。便器交換やトイレの内装リフォーム工事を1日で終わらせることが多いようです。日中は近隣の住人に事情を話して使わせてもらうか、気晴らしを兼ねて外出するのもいいのではないでしょうか。

キッチン工事はトイレより長く、プランによりますが、３～５日ぐらいかかります。その間はお弁当を買ってきたり、外で食事を楽しんだりするむのもよいのではないでしょうか。お風呂は1週間ぐらいかかるとみておくとよいでしょう。いずれにしても工程表で使えない期間を事前に確認しておきましょう。

工事用の電気・水道はその家のものを使い、料金は施主の負担になります。工事費の一部と考え、割り切りましょう。

例えば、ちょっと棚を付けたいと思っても、気軽に職人さんにお願いしないようにしましょう。必ず監督や営業担当者に伝え、まず見積もりをもらいます。その上で、やるかやらないかの判断をしましょう。サービスは基本的にあり得ないと考えましょう。また、素人考えでたいして金額はかからないだろうと思っていても、予想以上に高くつくこともあります。

最近はペットボトルで職人さんが持参してくることも多いので、毎日のようにお茶出しをする必要はないでしょう。ときどきコミュニケーションを兼ねて、ペットボトル飲料を差し入れする程度でいいのではないでしょうか。最初に営業担当者に確認しておくとよいと思います。

トイレのたびに外に行くと時間のロスになるので、工事現場となるお宅のトイレを使うケースが多いでしょう。マナー教育をしている会社が多いですが、きれいに使わないようなことがあったら、監督や営業担当者に伝えて、注意をしてもらいましょう。

開始時間、終わりの時間も大体決まっているので、最初に確認しておきましょう。しかし材料の手配の遅れなど、やむをえない事情で開始が遅れることもあります。そういう場合は連絡をもらえるようにお願いしておくとよいでしょう。

施主が外出中に緊急で相談をしなければならないことも起きます。そういうときのために番号は教えておいたほうがよいのです。伝えるのは、営業担当者か現場監督だけにしましょう。

工事中、リフォーム会社は工事以外の場所にビニールシートを被せるなどして、きちんと養生を行い、傷つけたり、汚したりしないよう最新の注意を払います。それでも何らかのアクシデントでキズがついた場合は、責任を持って修復してくれるはずです。ただし、壊れやすい貴重品などは現場近くに置かないよう、施主のほうでも注意をしましょう。

まず慎重に検討して信頼できる依頼先を選びましょう。それが一番の対策です。工事中は始終見ている必要はありませんが、時々は強い関心を示して工事の進行を見守りましょう。施主の熱心な態度が、職人の気を引き締め、手抜きなどは決してできないものです。

工事が完了すると、リフォーム会社の担当者と一緒に工事箇所を検査します。これが竣工検査といわれるものです。ここで不具合が見つかったら、引き渡しまでになおしてもらいます。内装の場合は壁紙が波打っていないか、床がきしまないか、建具の開閉はスムーズかなどを十分にチェックしましょう。

具体的なチェックポイントには以下のような箇所があります。

◎内装工事のチェックポイント

１）内装
□色・柄は指定どおりか
□床はきしまないか
□壁紙は剥がれたり、傷がついていないか

２）建具 

３）スイッチ・コンセント 
□オン・オフはスムーズか
□テレビや電話端子の位置は正確か

４）照明 
□しっかり取り付けられているか
□きちんと作動するか

５）設備機器
□排水はよいか
□水漏れしないか

リフォームの保証は、電気製品などの保証と同じで、保証期間内なら無料でなおしてもらえるというものです。期間は、構造部分や雨漏りに関する部分などは5年や10年など長期になることが多く、設備や建具、内装などは１、２年に限定されていることが多いようです。会社によって異なるので、よく確認しておきましょう。